社名変更
冷蔵庫や洗濯機、掃除機やテレビなどの電気製品から、ナショナルNationalの名前がなくなります。
松下電器産業が、社名と「ナショナル」というブランド名をやめて、
2008年10月に「パナソニック」に社名もブランド名も統一することになったのです。
MATHUSHITAの会社はなくなるのでしょうか?
パナソニックPanasonicになると、何が変わるのでしょうか?
松下もナショナルも有名なのに、会社名もブランド名もなくすのは、企業にも顧客にもメリットはあるのでしょうか?
社名とブランドの統一に、なぜ300億円もかかるのですか?
Panasonic
松下は、会社名を「松下電器産業」といいます。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助さんが、創業者です。
松下(MATHUSHITA)ができてから、2008年でちょうど90年になるそうです。
松下電器は多くの電気製品を製造しているメーカーですが、
商品ごとにブランド名がつけられています。
冷蔵庫や洗濯機などは「ナショナル」、
テレビやパソコンなどの映像や音響機器には「パナソニック」というブランド名をつけています。
しかし既に海外ではどの電気製品も、パナソニックというブランド名で統一しています。
ところで、なぜナショナルとパナソニックの2つのブランド名があるのでしょうか?
昭和30年代に松下がアメリカに進出したとき、
「National」というブランド名は、既に他の会社が商標登録して使えなかったんです。
それで「パナソニック」というブランドにして、昭和36年(1961)からアメリカなどで使い始めたそうです。
パナソニックは、「PAN(あまねく)」と「SONIC(音)」という言葉を合わせて、
「松下の音をあまねく世界へ」という意味をこめています。
またナショナルは、英語で「国民の」という意味があるので、
松下幸之助さんが、松下製品を「国民の必需品にしたい」という思いを込めたそうです。
さて、
ナショナルもパナソニックも作っている会社は松下電器産業ですが、
海外の企業では、会社名とブランド名を同じにしていることがほとんどです。
たとえば、マクドナルド、ルイ・ヴィトン、コカ・コーラ、マイクロソフト・・・。
すぐに商品が頭に浮かぶので、わかりやすいですね。
でも、松下、ナショナル、パナソニックと3つも名前が分かれていると、
松下の製品はなんだっけ?
ナショナルとパナソニックはどう違うの?などと、わかりにくくなってしまいます。
ですので、プレミアム・ブランドといわれるメルセデスベンツやBMWでは、
車のブランド名がメルセデスベンツなら、いろんな車のタイプ(車種)をS,C,Aなどのアルファベット、
BMWでは7,5,3などの数字で表記して、製品を区別しています。
いろんな名前の車を出すよりも、ベンツやBMWの名前一つを全面に出すことで、
「トヨタ」の「カローラ」「アルファード」「プリウス」などというよりも、
個々に車種名をつけた場合のイメージの拡散を防いでいます。
また、ブランドとしてのメーカー名も宣伝されるので、消費者にはわかりやすいです。
それで松下は、海外で浸透しているパナソニックのブランド名で、
社名とブランド名を統一することに決めたようです。
ブランド
松下電器と同じように社名を変更した会社は、いくつかあります。
同じ電気製品の「ソニー」は、最初の社名は「東京通信工業」といいましたが、1958年にアルファベットで「SONY」とし、海外での知名度を上げました。
また「トリオ」という会社は、輸出向けのオーディオ機器のブランド名だった「ケンウッド」を会社名に変えた結果、
赤字続きの経営を改善し、イメージアップをはかりました。
その他、カメラの「ニコン」Nikonの旧社名は「日本光学工業」、
「ペンタックス」の旧社名は「旭光学工業」です。
製品が売れてブランド名が有名になると、
会社名よりもブランド名で製品を探す人が多くなります。
「社名=ブランド名」ならわかりやすいので海外でのビジネスもスムーズに話がすすむし、海外の消費者も製品情報のネット検索をブランド名で簡単にできます。 会社名で製品を探さなくていいからなんですね。
CI
社名変更に300億円かかるというのは、試算だそうです。
ブランド変更に伴い、街のナショナルショップや松下電器産業の看板、製品の取り扱い説明書から名刺などまで全てを、
パナソニックの名称に変える必要があります。
そのための人的・物的コストに、莫大な費用がかかるそうです。
企業のCI変更は、巨大なお金の動くプロジェクトですね。